2026年2月、東光小学校の小学5年生15人が、Scratchを使ったゲーム制作ワークショップに参加するため神山まるごと高専に来てくれました。
このイベントは、Hanabiが行っている「出前授業」シリーズのひとつ。今回が3回目の開催で、東光小学校としては2025年2月に続き2回目の実施になります。
普段はHanabiのメンバーが学校へ出向く形で行われる授業ですが、今回は少し違いました。東光小学校側から「神山まるごと高専を見てみたい」という希望があり、小学生たちが高専を訪れる形で開催されたのです。
今回このイベントを企画したのは、HanabiのOBである中本慧思。
チーム発足初期から2年間アウトリーチリーダーを務め、数多くの教育イベントを企画してきた人物です。現在はHanabiを卒業していますが、学校スタッフから相談を受けたことをきっかけに「Hanabiのアウトリーチとしてやりませんか」と提案し、今回のイベントが実現しました。
Ignitersでは今回、このイベントを企画した中本に、当日の出来事やアウトリーチへの想いについて話を聞きました。
ー 今回のイベントは、どんなきっかけで始まったんですか?
中本:Hanabi現役のときに、学校スタッフのつながりで東光小学校に行って、Scratchでシューティングゲームを作る授業をやったことがあったんです。
そのときの先生方から「もう一度やってほしい」と言ってもらえて。それが今回のきっかけでした。
ー 今回は小学校ではなく、高専開催になりました。
中本:そうですね。本来は出前授業なので、僕たちが学校に行く形なんですけど、今回は「神山まるごと高専を見てみたい」と言ってもらえて。
それなら高専に来てもらおうということになりました。
小学5年生15人が高専に来て、Scratchでシューティングゲームを作るワークショップをやりました。

ー このイベントで大事にしていたことは何ですか?
中本:ただゲームを遊ぶだけじゃなくて、自分の発想を実装して「欲しいものを自分で作れる」っていう感覚を持ってほしかったんです。
これからはAIに言えば色々できる時代になると思います。でも、その裏側の仕組みとか、ものづくりの感覚を少しでも知ってもらえたらいいなと思っていました。
ー イベント準備で大変だったことはありますか?
中本:個人的に一番大きかったのは、今のキャプテンとアウトリーチリーダーに頼れたことですね。
たぶん今までの自分だったら「一人でやれるでしょ」って言ってたと思うんですけど、普通にいなきゃ無理でした。
今回一緒に準備を進めたメンバーは、2025年5月に開催した「文化の森」のイベントでも同じ授業をやった仲間でした。
同じ内容の授業をやった経験があるメンバーだったので、本当に助けてもらいました。
手伝ってくれてありがとう、という気持ちです。
ー 当日、一番焦った瞬間はありましたか?
中本:Scratchのサーバーが落ちたんです。
イベント開始30分前でした。
2年間たくさんアウトリーチをやってきて、Scratchも何度も使ってきたんですけど、こういうことは初めてでした。
ワークショップで使う予定だったScratchが突然動かなくなってしまって。さらに代替として用意していたパソコンにはScratchをインストールできない状況で。
授業の中心になるツールが使えなくなってしまったんです。
ー その状況をどう乗り越えたんですか?
中本:神山まるごと高専の学生が、どんなことをやってきて、これからどんなことをしていくのかっていう話を、その場でしました。
子どもたちと質問し合いながら、その時間を乗り越えた感じです。
話している途中で、幸いにもScratchのサーバーが復旧してくれて。本来予定していたワークショップも、そのあと無事に始めることができました。
結果的には、その時間で「高専ってどんなところ?」を知ってもらうこともできました。

ー イベントが終わって、印象に残っていることはありますか?
中本:「ゲームが作れて楽しかった」って言ってくれた子が多くて、それは本当に嬉しかったですね。
あと、できる子が後ろの席に行って「ここはこうだよ」って教えていたんです。
子ども同士で教え合っていて、すごくいい光景でした。
ー 反省点はありましたか?
中本:スライドに書いてある通りのことをやるだけになってしまった子もいて。
もっと自由に作れるように、最初にブロックの練習問題を入れるとか、進め方は工夫できたなと思いました。

ー Hanabiにとって、アウトリーチはどんな意味がありますか?
中本:全国へのリーチをしていきたいんです。
少しでも遠くに、Hanabiの名前を置いていくような感覚。
これができるのは、チームの中でもアウトリーチだけだと思っています。
1人でも違う都道府県の人がHanabiを知ってくれたら、そこから水紋みたいに広がっていくと思うんです。
ー 今回のイベントで使ったスライドは、新しく作ったものではないそうですね。
中本:そうですね。過去のイベントで作ったものをベースにしています。
スライドは一度作ったものを再利用したので、何も苦ではありませんでした。
こういう教材やノウハウを残していくことで、チームはもっと前に進めると思っています。

ー 最後に、これからのHanabiのアウトリーチに期待していることはありますか?
中本:全国へのリーチは、これからも続けていってほしいですね。
アウトリーチって、一回イベントをやって終わりじゃないと思っていて。そこで生まれた経験とか、資料とか、ノウハウが次のメンバーに引き継がれて、また別の場所に広がっていくものだと思うんです。
今回のイベントも、その連なりのひとつだと思っています。
小学生が作ったひとつのゲームとか、高専でのちょっとした体験が、いつかどこかで新しい挑戦につながるかもしれない。
そうやって少しずつ広がっていくなら、アウトリーチおじさんとしては嬉しいですね。
アウトリーチは、一度のイベントで終わる活動ではありません。
そこで生まれた経験や資料、ノウハウは、次のメンバーへ受け継がれ、また新しい場所へ広がっていきます。
今回のワークショップも、その連なりのひとつ。
小学生が作ったひとつのゲームや、高専での小さな体験が、いつかどこかで新しい挑戦につながるかもしれません。
Hanabiのアウトリーチは、そんな小さなきっかけを、少しずつ外へ届けていく活動です。
(取材日:2026年2月20日)